ワークスペースのセキュリティ設定変更による影響範囲
概要
エンタープライズプランでは、ページのWeb公開やゲスト招待などの可否を、ワークスペース単位とチームスペース単位のそれぞれで設定することが可能です。
ここでは、ワークスペース単位でのセキュリティ設定変更を行った場合、その影響がどこまで及ぶのかを詳しく見ていきます。
セキュリティ設定メニュー
ワークスペース設定
サイドバーの 設定
→ セキュリティ
から、以下の4種類の設定が可能です。
すべてのオプションは「無効にする」ことをオン・オフするトグルになっているため、トグルのオン=許可しない、オフ=許可する、という意味になります。
例:ページのWeb公開を無効にする=オン → 「ページのWeb公開を許可しない」
チームスペース設定
サイドバーのチームスペース名の横にあるドットメニューから、チームスペース設定
→ セキュリティ
タブ → ページのセキュリティ
セクションで以下の3つの設定が可能です。
チームスペース設定では、原則としてワークスペースのセキュリティ設定よりも緩い許可には設定できませんが、ワークスペースオーナーとチームスペースオーナーを兼任している方のみ、オーバーライドが可能です。
セキュリティ設定変更の影響:前提
まず、ワークスペースとチームスペースの両方で、すべてのセキュリティ設定をオフ=すべて許可された状態であるとしましょう。
そして、配下にそれぞれのセキュリティ許可をフルで活用しているページがあるとします。この状態で、ワークスペース設定の各項目をオン=無効=許可しない状態に変えていった時の影響を見ていきます。
セキュリティ設定変更の影響:①Web公開
まずは ページのWeb公開を無効にする
をオンにしてみます。
トグルをクリックすると確認メッセージが出るため、はい
をクリックします。
するとその設定変更に伴い、以下の箇所に影響が現れました。
影響箇所 | 影響内容 |
---|---|
チームスペース設定 |
ワークスペース設定と同様に |
ワークスペース直下のページ | Web公開されていたページが公開オフに変更 |
チームスペース内のページ | Web公開されていたページが公開オフに変更 |
ちなみに、ワークスペース設定で ページのWeb公開を無効にする
をオフに戻しても、チームスペース設定の同項目は自動的にオンにはなりません。個別判断のうえ、再設定が必要となります。(ほかのセキュリティ設定項目についても同様)
セキュリティ設定変更の影響:②ゲスト招待
次に、設定を元のフル許可の状態に戻したうえで ゲストを無効にする
をオンにしてみましょう。
先ほどと同様に確認メッセージが表示されるため、はい
を押します。
設定変更に伴う影響箇所も、先ほどと同様です。
影響箇所 | 影響内容 |
---|---|
チームスペース設定 |
ワークスペース設定と同様に |
ワークスペース直下のページ | ・招待されていたゲストが削除される ・ワークスペースメンバー1名とゲストのみで使用していた場合、ページが |
チームスペース内のページ | 招待されていたゲストが削除される |
業務で広くゲスト機能を利用していた場合、ワークスペース設定で一斉にゲストを無効化してしまうと、必要に応じて再度ページごとに個別に招待をすることになりますので、設定変更には注意が必要です。
セキュリティ設定変更の影響:①他のワークスペースへの複製可否
再度設定を元のフル許可の状態に戻し、まずは許可されている時の複製機能を確認してみましょう。
複製方法1:別ページへ移動
ブロックの左の ⋮⋮
ハンドルから 別ページへ移動
を選択すると、移動先候補の右下に他のワークスペースを選択できるドロップダウンリストが表示されます。
複製方法2:Web公開ページの複製
ページをWeb公開する場合、そのページを一般閲覧者が複製できるか否かを許可するオプションがあります。(Notion公式のテンプレートギャラリーも、その仕組みを活用してユーザーが手元に複製できるようになっています。)
これをオンにしてWeb公開されたNotionページには、右上に 複製
ボタンが表示されます。
では、 他のワークスペースへのページの複製を無効にする
をオンにしたらどうなるか、それぞれ見てみましょう。この項目は、確認メッセージは表示されずにすぐにトグルがオンに切り替わります。
複製方法1:別ページへ移動への影響
複製が許可されていた時(下図左)には、⋮⋮
メニューで 別ページへ移動
を選択すると、右下には他のワークスペースへの移動を選択するドロップダウンが表示されていましたが、複製を無効にすると(下図右)そのドロップダウンが表示されなくなりました。
複製方法2:Web公開ページの複製への影響
Web公開ページについては、ワークスペース設定でのセキュリティ設定変更に関わらず、テンプレートとして複製を許可
している状態が保たれていました。
ですが、これを一度オフにしてしまうと、再度オンに戻すことはできませんでした。
少々複雑ですが、設定変更に伴う影響箇所をまとめると次のようになります。
影響箇所 | 影響内容 |
---|---|
チームスペース設定 |
ワークスペース設定とは異なり、複製無効化のためのトグルはないため、一見して影響がないように見えるが、ワークスペース設定を継承して複製は無効化される |
ワークスペース直下のページ |
|
チームスペース内のページ | ワークスペース直下のページと同様 |
このように、Web公開済みページの既存の 複製許可
のみ、ワークスペース設定で複製無効化したとしても設定が残るため、必要に応じて個別で複製許可
をオフにする作業が発生します。
このセキュリティ設定は、Notionの「複製」機能を用いた複製行為の許可に関するものです。
コンテンツのコピー → 他のワークスペースでの貼り付けはNotionの「複製」機能を用いないため、この設定メニューでは禁止されません。
セキュリティ設定変更の影響:①エクスポート可否
再度設定を全許可に戻し、最後は エクスポートを無効にする
をオンにしてみましょう。こちらも確認メッセージは表示されず、すぐにトグルがオンに切り替わります。
設定変更に伴う影響箇所は、Web公開やゲスト招待の許可と同様にシンプルです。
影響箇所 | 影響内容 |
---|---|
チームスペース設定 |
ワークスペース設定と同様に |
ワークスペース直下のページ | ページやデータベース(フルページ)右上のドットメニューで エクスポート メニューが表示されなくなるが、 |
チームスペース内のページ | ワークスペース直下のページと同様 |
このセキュリティ設定は、ページやデータベース単位での「エクスポート」の許可についてのものです。ファイルや画像などの、いわゆる添付物のダウンロードはこの設定では禁止されません。
まとめ
ワークスペース全体に対するセキュリティ設定を変更すると、各チームスペースの設定もそれを継承して自動的に更新されることが分かりました。
ですが、ワークスペースのセキュリティ設定でカバーできない以下の点には注意が必要です。
対象の機能 | 注意点 |
---|---|
ワークスペース設定のオーバーライド | ワークスペースオーナーとチームスペースオーナーを兼任しているユーザーは、チームスペース設定においてワークスペースのセキュリティ設定をオーバーライド=より緩い設定にできる |
無効化されたチームスペース設定の復活 | ワークスペースレベルのセキュリティ設定を「有効」→「無効」→再度「有効」に戻しても、一度「無効」になったチームスペース設定は自動で復活しない |
外部ワークスペースへの複製 | Web公開ページの既存の 複製許可 設定は、ワークスペースのセキュリティ設定で複製を無効にしても継続して有効のまま残る |
外部ワークスペースへの複製 | コピー&ペーストでの外部へのコンテンツ複製は、Notionの複製機能(別ページへ移動 やWeb公開ページの複製許可 )に該当しないため、セキュリティ設定では禁止できない |
ダウンロードの禁止は不可 | ページ単位でのエクスポートは禁止できるが、ファイル単位でのダウンロードは禁止できない |